『キッズアスレティックス×東京マラソンスタイル』始動!

2017年11月17日

東京都江東区の深川小学校で10月13日(金)、東京マラソン財団「スポーツレガシー事業」における寄付金事業の一つとして、2017年度の『キッズアスレティックス×東京マラソンスタイル』が始まりました。
この取り組みは、陸上競技の「走る」「跳ぶ」「投げる」について、子どもたちが楽しみながら体験することで、スポーツ基礎力を高めるとともに、マラソンをはじめとする陸上競技への興味や関心を高めてもらうことが目的です。2016年度から行われており、国際陸連が開発した世界共通こども運動プログラムを推進する日本キッズアスレティックス協会(一般社団法人キッズアスレティックス・ジャパン)の主催です。子どもたちへの指導は、オリンピック等に出場した元トップアスリートや子どもの運動を研究している大学教員らが担当しています。

深川小学校は、開校から144年目を迎えた歴史のある学校で、2017年大会から変更された東京マラソンのコースの付近に位置しております。今回の『キッズアスレティックス×東京マラソンスタイル』には4年生の52名が参加。外はあいにくの雨だったため、校舎3階の体育館で行われました。

コーチとして子どもたちを指導していただいたのは、過去にオリンピックに出場された4名の先生です。(敬称略)


写真(左から)
・室伏 由佳(女子円盤投、ハンマー投の日本記録保持者。ハンマー投のアテネオリンピック代表)
・ハニカット 陽子(女子走高跳でシドニーオリンピック11位)
・大森 盛一(男子4×400mリレーでバルセロナ、アトランタ両オリンピック代表。アトランタ大会で5位入賞)
・川上 優子(女子10000m元日本記録保持者でアトランタ、シドニー両オリンピック代表。アトランタ大会で7位入賞)
さらに、企画運営や進行については、以下2名の先生にご担当いただきました。(敬称略)
・井筒 紫乃(日本女子体育大学体育学部スポーツ健康学科健康スポーツ学専攻教授)
・小林 敬和(中央学院大学法学部スポーツシステムコース教授)
井筒先生が「走る、跳ぶ、投げるは陸上競技の基本。また、どんなスポーツにとっても大事です。楽しくがんばりましょう」とあいさつした後、先生方が1人ずつ自己紹介。そのあと、子どもたちは川上先生の指導の下、準備体操を行いました。足首を回したりや伸脚などといった体操の後、手足を伸ばすなど身体全体を使った「からだじゃんけん」を実施。川上先生と勝負して、勝ち残った子供たちは歓声をあげていました。

 

その後3つのグループに分かれて、ローテーションで「走る」「跳ぶ」「投げる」を体験してもらいました。

「走る」体験は大森先生が担当。床にゴム製の「スティックラダー」をはしごのように敷き、その上をジャンプや走りで越えていくメニューを行いました。
最初は背筋をまっすぐに伸ばしたまま、両足で越えていく両足ジャンプ。その後はももを上げたり、腕振りをつけて徐々に走るフォームにしていきました。大森先生は「ひざを身体の前に出すイメージで脚を上げ、腕振りも手が顔の高さまで上げることが大切」と説明。100mの世界記録保持者、ウサイン・ボルトさん(ジャマイカ)の例も紹介すると、子どもたちは興味深そうに話を聞いていました。最後は対抗形式でリレーを行い、盛り上がりました。

 

ハニカット先生が担当した「跳ぶ」では、体育館の床に敷かれたラインを小刻みに素早く跳び越える「ラインジャンプ」を行いました。
最初は前後に跳び、次は左右、さらに前後左右の順でジャンプ。中には10秒間の間に40回以上跳ぶ子供も。グループを2つのチームに分けて、1人あたりが跳んだ回数で競うなどして、楽しみながらジャンプの基本を体験しました。ハニカット先生によると、身体に一本の軸を作るイメージを持ちながら、常にその次にどう身体を動かすかを考えて跳ぶと、素早く跳べるそうです。

 

「投げる」では、羽付きのラグビーボールのような特殊なボールを使ったボール投げに挑戦。6~7m先にある「2」「3」「4」「5」と数字が書かれた幕に向かってボールを投げました。室伏先生は「ひじを伸ばしたまま、身体の後ろから腕を回すようにして投げた方が、ボールに力を伝えやすい。投げた後は身体を前に出すイメージで」と、ポイントを説明していました。
ボールの中には笛が入っており、回転を掛けたり、速度が出ると音が鳴る仕組みになっています。子どもたちのなかには投げると音が鳴る人もいました。最初は助走無し、その後に3歩助走で次々と投げていき、狙った数字にボールが当たると大喜びしていました。

 

約1時間かけて、「走る」「跳ぶ」「投げる」を体験した子どもたち。その後は川上先生からマラソンについての話がありました。「これから身体がどんどん強くなって、繰り返し練習していけば、どんどん走れると思います。誰かと競走するのだけでなく、『昨日の自分』や、『この前の自分』にチャレンジしてほしいです、長い距離にも関心を持ってもらいたいです」と川上先生は呼び掛けていました。また、学校の近くがコースとなっている東京マラソンについても触れて、「みなさんは世界から集まる選手を見ることができて、うらやましいなと思います。ランナーは沿道の人の声が聞こえます。応援を受けるとうれしい気持ちになってがんばることができますので、ぜひ応援して盛り上げてください」と話していました。

川上先生のお話の後、指導にあたった3人の先生はメッセージを送りました。
大森先生「練習前と比べると段々良くなっていました。リレーをやる時はとっても良いフォームで走っていました。体育の授業や陸上の大会で活躍できるようにがんばってください」
ハニカット先生「今日のように雨の中でも工夫してやれることはいっぱいあります。休み時間などで仲間と楽しく、ルールを守ってやってみてください。今日は楽しかったです」
室伏先生「今日やったことは世界の子どもたちも同じプログラムをやっています。好きなものも苦手なものもあったかと思いますが、苦手でも楽しむと上達するのでぜひチャレンジしてください」
最後に子どもたちには参加証が贈られ、記念撮影をして終わりました。

  

主催:一般社団法人キッズアスレティックス・ジャパン
(ホームページ:https://www.kidsathletics-japan.org/

 

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