ダイヤモンドアスリートを対象とした「第1回リーダーシッププログラム」が行われました!

2017年12月26日

2017年11月25日(土)、ダイヤモンドアスリート認定式と、東京マラソン財団スポーツレガシー事業の寄付金を運用した「第1回リーダーシッププログラム」が行われました。(主催:公益財団法人 日本陸上競技連盟)

このダイヤモンドアスリート向けの「リーダーシッププログラム」は、スポーツレガシー事業運営委員の為末大氏が監修し計4回にわたり、多方面から講師を招いて豊かな人間性を持つ国際人育成のためのプログラムを実施していきます。

第1回のこの日は、午前に行われた認定式・修了式に出席したダイヤモンドアスリートメンバーに加え、ダイヤモンドアスリートOBの岩本武選手(順天堂大)、平松祐司選手(筑波大)、佐久間滉大選手(法政大)の3名が参加しました。

第一部は、ゲストスピーカーにアトランタ、シドニー、アテネ五輪男子柔道60kg級3大会連続金メダルの野村忠宏さん、ファシリテーターとしてスポーツレガシー事業運営委員の為末大さんが参加。
為末さんの進行のもと、「より高いレベルのアスリートを目指すには」をテーマに、野村さんの幼少期~オリンピック3連覇の経験や当時の選手人生を振り返りながら講義が進められました。
  

「昔は体も小さく、女の子にも負けてしまうくらい弱かった。」と話す野村さん。監督であった父親からも「柔道をやめていいぞ。」と言われ、“期待されない悔しさ”をかみしめながらも当時から自分の武器としていた背負い投げを磨き、努力を続け、そして手にした五輪のメダル。“期待されない悔しさ”を味わっていたからこそ、周囲からのプレッシャーを“期待される喜び”として受け止めることが出来たそう。

また、自身のことを「本当に怖がりでネガティブ。試合前日は本当に怖かった。」と話し、「怖かったからこそ、自分が勝つために何をしなくてはいけないのかを追求していった。」と、“自分の作り方”に関してストイックだったと振り返りました。

「現状に満足することなく、常に先を見て、世界を見て戦って欲しい。そして、自分の人生・競技において、いつ自分を変えてくれる出会いがあるのか分からないからこそ、人との出会いを大切にして欲しい。」
と、ダイヤモンドアスリートたちへメッセージを届けました。

ダイヤモンドアスリート修了生の北口選手からは、「最近たくさんの人から一度に指導を受ける機会が増え、色々な意見に左右されて悩んでいる。“私はこれ”ということを一つ決めなさいと言われたが、野村さんはどの段階で、どのように自分の軸(背負い投げ)を決めましたか?」と質問がありました。

それに対し、野村さんは「私は幼少期から「しっかり相手と組んで背負い投げをかける柔道」を教えてもらっていたが、身体が小さかったために中学や高校ではその柔道では勝てず、身体の小ささとスピードが生かせる「組み合わずに速く動く柔道」に変えようとしていた。しかし、高校2年のとき、その柔道をしている自分を見た父親(高校柔道部の監督)から、「今だけ勝てる柔道がしたいのなら、その柔道をしたらいい。でも、将来世界に通用する長く世界で戦える柔道家になりたいのであれば、今は勝てなくいいから、まずはしっかりと組む柔道をして、1本を取れる技を磨け」と言われた。それが自分に期待をかけてくれることのなかった父から、生まれて初めて受けた助言だった。そのことが軸となった。人として、アスリートとして信じられる人を一人に絞ることも必要。いい意味で自分を持ち、人を選別できる能力を鍛えていかないといけない。」とアドバイスをしていました。

  

皆、アスリートの大先輩である野村さんに積極的に質問をしていました。

第二部では「プロ選手に必要な視点」をテーマにワークショップが行われました。

  

為末さんからは、「様々な世界の人の意見が自分の中にたくさん溜まっていくことで、視野が広がり全体を見ることが出来るようになる。出来れば陸上(スポーツ)に関係のない知り合いも多い方がいい。」と若きアスリートたちへアドバイスがありました。

  

日本陸上競技連盟のウェブサイトにて、リーダーシッププログラムの詳細内容を掲載しています。
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